「このまま会社にいていいのか」「辞めたあと、本当にやっていけるのか…」
そう悩みながらも、実際に会社を辞めて“新しい働き方”を選んだ人たちがたくさんいます。
この記事では、会社を辞めたあとにどんな働き方を選び、どんな変化があったのか――編集部が集めた実例7ケースと、成功した人に共通するポイントをまとめて解説します。
「会社を辞めたいけれど、後悔したくない」「辞めた人のリアルなその後を知りたい」という方の判断材料になるよう、メリット・デメリットも含めてお伝えします。
会社を辞めて“新しい働き方”を選ぶ人が増えている理由
まずは、なぜ今「会社を辞める」という選択をする人が増えているのかを整理しておきましょう。
働き方の価値観が大きく変化している
ここ数年で、働き方に対する価値観は大きく変化しました。
- 終身雇用・年功序列が崩れた
- リモートワークやフリーランスが一般的になった
- 「どこで働くか」より「どう生きるか」を重視する人が増えた
「会社にいれば一生安泰」という前提が崩れたことで、
自分でキャリアをデザインしたいと考える人が増えています。
副業・スキルアップの普及で選択肢が増えた
副業解禁の流れやオンライン学習サービスの普及により、
- 会社にいながら副業を始められる
- 未経験からでもWebスキルやプログラミングを学べる
- 地方や海外にいてもオンラインで働ける
といった選択肢が増えました。
実際、「まずは副業から始めて、収入の目処が立ってから会社を辞めた」というケースも多く見られます。
副業の始め方が知りたい方は、こちらも参考になります。
→ 初心者でもできる副業ランキングTOP5｜再スタートにおすすめ
会社に依存しないキャリア設計が一般化してきた
「ひとつの会社に依存しない」という考え方も広がりつつあります。
- 本業＋副業の複線型キャリア
- フリーランスとして複数クライアントと契約
- パートナーと役割分担しながら暮らしを設計する
といった形で、自分なりの“ちょうどいい働き方”を模索する人が増えています。
編集部まとめ：会社を辞めた人が選んだ新しい働き方（代表例）
- フリーランスとして案件ベースで働く
- 在宅ワーク中心のフルリモート勤務
- 地方移住＋リモートワークのハイブリッド
- 週3勤務＋複業（パラレルワーク）スタイル
- 短時間労働＋ゆる副業で心と体を整える
実例①：副業から独立し、会社を辞めた30代男性のケース
最初のケースは、会社員時代に副業ブログとWebライティングを始め、月5万円→10万円と収入を伸ばした30代男性の例です。
会社員時代に副業で月5万円を達成
この男性は、営業職として働きつつ、仕事終わりや休日にコツコツとブログ運営とライティング案件を続けていました。
- 平日は1日1〜2時間、休日は3〜4時間を副業に充てる
- 最初の3ヶ月はほとんど収益ゼロ
- 4〜6ヶ月目で月1〜3万円に到達
- 1年後には月5〜7万円が安定
「このペースなら、案件を増やせば独立も現実的だ」と感じ、独立を意識し始めたそうです。
同じように副業から収入を伸ばしたストーリーはこちらでも紹介しています。
→ 【再現ストーリー】副業で収入を伸ばした会社員の実例
独立後は案件が安定し収入も増加
会社を辞める前に、
- 既存クライアントとの契約条件を見直し
- 新規クライアントとの長期契約を2社確保
したうえで独立。結果的に、会社員時代より月収が1.3〜1.5倍に増えました。
成功のポイント（継続・案件選び・発信）
- 「まずは月1万円→3万円→5万円」と段階的に目標設定
- 単価の低い案件から「単価交渉」や「高単価案件」へとシフト
- SNSやブログで実績を発信し、紹介案件を増やした
いきなり会社を辞めたわけではなく、会社員としての収入があるうちに「副業で土台」を作ったことが大きなポイントでした。
ブログやWebライターに興味がある方は、こちらも参考になります。
→ 未経験からWebライターを始めるための基本ステップ
実例②：会社を辞めて在宅ワークへ転向した女性の例
次は、通勤ストレスと職場の人間関係に疲れ、完全在宅ワークに切り替えた30代女性のケースです。
通勤ストレスが限界に達し、働き方を見直した
この女性は片道1時間半の通勤に加え、残業続きの日々。
「このままでは心身ともに持たない」と感じ、在宅でできる仕事に関心を持ち始めました。
PCスキルを強化して在宅案件を獲得
最初に行ったのは、PCスキルと基本的なWebスキルの学び直しです。
- タイピング・Officeスキルの強化
- 簡単なデータ入力・リサーチ業務
- オンラインツール（チャット・スプレッドシートなど）への慣れ
同時に、クラウドソーシングサイトを活用して案件を受注。
「最初は月2〜3万円の収入からスタートし、半年ほどで月10万円前後まで伸びた」と話してくれました。
在宅ワークやAI活用、副業の学び直しに関心がある方は、次の記事も役立ちます。
→ AI時代の学び直し｜副業・キャリアに活かす勉強法
時間の自由度が増え、生活の質が向上
この女性は、「収入の絶対額よりも、時間の自由と心の余裕が大きかった」と語っています。
- 通勤時間がゼロになり、自分や家族の時間が増えた
- 朝の満員電車から解放され、体調が安定した
- スキルアップのための学習時間も取りやすくなった
生活費や家計の整え方も見直し、全体として「少ないストレスで暮らせるようになった」とのことです。
実例③：地方移住で働き方を変えた20代夫婦のケース
3つ目は、都市部の生活コストに限界を感じ、地方移住＋リモートワークというスタイルを選んだ20代夫婦の例です。
都市部の生活コストに疲れた20代夫婦
この夫婦は、家賃と生活費の高さから「働いてもお金が残らない」状況に悩んでいました。
- 家賃が収入の3〜4割を占めていた
- 外食・交通費などで毎月ギリギリ
- 将来の貯金が全然できない
そこで、リモートワークが可能な仕事へと徐々にシフトしつつ、地方への移住を決断しました。
移住×リモートワークで暮らしが安定
地方移住後は、
- 家賃が半分以下になった
- 食費や日用品のコストも下がった
- 自然の多い環境でストレスが減った
といった変化があり、「収入はむしろ少し減ったのに、手元に残るお金は増えた」と話しています。
生活コストを下げる工夫については、こちらの記事も参考になります。
→ 家賃を下げて家計を立て直すための実践アイデア
生活費が下がり、家計とメンタルに余裕が生まれた
「毎月ギリギリ」の状態から抜け出したことで、
- 貯金に回せる余裕ができた
- 将来の不安が軽くなった
- 仕事の選び方にも余裕が生まれた
といったポジティブな変化がありました。
実例④：会社を辞めてフリーランスエンジニアになった男性
4つ目は、独学＋スクールでスキルを身につけ、フリーランスエンジニアになった20代後半男性のケースです。
独学＋スクールでスキルを積み上げた
この男性は文系出身でしたが、将来性のあるスキルとしてプログラミングに興味を持ち、
- 独学で基礎文法を学びつつ
- オンラインスクールでWeb制作を体系的に学び
- ポートフォリオサイトを作成
という流れでスキルを習得しました。
プログラミング学習やITスキルに興味がある場合は、こちらも参考になります。
→ 未経験からプログラミングを学ぶためのロードマップ
転職→フリーランスというステップを踏んだ
いきなりフリーランスになったのではなく、
- まずWeb系企業に転職して実務経験を積む
- 副業や個人案件で「一人で完結できる仕事」を増やす
- 取引先や人脈を広げたうえでフリーランスへ
というステップを踏んだことで、安定した独立につながりました。
40代からでもキャリアチェンジに成功したインタビュー記事はこちら。
→ 40代未経験からWebスキルを習得し転職成功した実話インタビュー
収入が会社員の1.5〜2倍に増加
フリーランスになってからは、
- 単価の高い案件を選べるようになった
- スケジュールを自分でコントロールできるようになった
- スキルアップがそのまま収入UPにつながる実感がある
というメリットを感じているそうです。
実例⑤：会社を辞めて“複業（パラレルワーク）”を選んだ女性
5つ目は、1つの仕事に縛られず、「週3勤務＋2つの副業」というパラレルワークを選んだ30代女性のケースです。
1つの会社だけに頼る不安から複業へ
この女性は、「もし今の会社がなくなったらどうしよう」という不安をきっかけに、複業スタイルに関心を持ちました。
- 週3日は契約社員として事務の仕事
- 残りの時間でSNS運用代行とライティング
という形で、収入源を複数持つ働き方に切り替えています。
SNS運用やコンテンツ販売などの副業については、以下も参考になります。
→ SNSマーケティング系副業の始め方
→ コンテンツ販売で収入を得る基本ステップ
収入源が複数になり、精神的な安心感が増した
この女性は、「収入の合計は会社員時代と同じくらいだが、精神的な安心感は大きく違う」と話します。
- 1つの仕事が減っても、他の収入でカバーできる
- 新しい仕事にチャレンジしやすくなった
- 自分の得意や強みを活かして働ける実感がある
実例⑥：会社員→副業→転職でキャリアを作り直した男性
6つ目は、会社をすぐに辞めるのではなく、副業で実績を作ったうえで転職した30代男性のケースです。
会社を辞める前に副業で実績を作った
この男性は、いきなり退職するのではなく、
- 未経験の職種で副業を始める
- 小さな実績を積み重ねる
- ポートフォリオとしてまとめる
ことで、転職活動を有利に進めました。
スキルアップと実績で転職を成功させる
転職先では、もともと副業でやっていた仕事と近いポジションに就き、年収も環境も改善。
「会社を辞める＝独立」だけではなく、「会社を変える」という選択肢も十分あり得ることがわかる例です。
キャリアの立て直しについては、こちらの記事も参考になります。
→ キャリアを再スタートさせるための考え方とステップ
実例⑦：ストレス過多で退職→メンタル改善＋ゆる副業へ
最後は、心身の限界を感じて退職し、メンタル回復を優先しながら“ゆる副業”を組み合わせた女性のケースです。
ストレス過多で働けなくなった日々
この女性は、長時間労働と責任の重さから、体調不良や不眠に悩まされていました。
最終的には医師から「しばらく休んだ方がいい」と言われ、退職を決断します。
休息とスモールステップで復帰
退職後は、すぐに「次の仕事」を探すのではなく、
- まずは十分な休息と通院
- 日常生活のリズムを整える
- 短時間の在宅ワークから少しずつ再開
というステップで、少しずつ働く感覚を取り戻していきました。
メンタルケアや思考の整え方については、こちらも参考になります。
→ 再スタートのためのマインドセットを整えるコツ
在宅×軽作業のゆる副業で自信を回復
この女性は、最初はデータ入力などの軽作業からスタートし、
「働けた」という小さな成功体験を積み重ねながら、自信を取り戻していきました。
在宅でできる軽めの副業については、以下の記事も参考になります。
→ 在宅データ入力副業の始め方と注意点
会社を辞めた人の「成功パターン」に共通する5つの特徴
ここまで7つの実例を見てきましたが、編集部が取材していて感じる「成功パターンの共通点」があります。
① 辞める前に小さく“実績”を作っていた
いきなりゼロからのスタートではなく、
- 副業で月1〜3万円の収入を作っていた
- ポートフォリオや実績を少しでも積んでいた
- 転職に役立つ資格やスキルを先に身に付けていた
など、「やっていける手応え」を持ってから会社を辞めている人が多いです。
② スキル学習を継続していた
成功した人たちは、学びを止めていません。
- 毎日30分でも学習時間を確保する
- 仕事をしながら新しいスキルを試してみる
- 学んだことをすぐにアウトプットする
といった習慣を大切にしています。学び直しやスキルアップの基本は、こちらも参考になります。
→ スキルアップで人生を再設計するための基本ステップ
③ 固定費を下げてリスクを最小化していた
収入を増やすだけでなく、支出を減らす工夫をしている人も多いです。
- 家賃や通信費などの固定費を見直す
- 生活水準を少し下げておく
- 「必要なもの」と「なんとなくの支出」を分ける
固定費を下げるだけで、独立や転職へのハードルはかなり下がります。
→ お金が貯まる人の固定費削減と節約習慣
④ 一人で抱え込まず、情報収集と相談をしていた
成功した人たちは、
- 同じ分野で働く人の発信をフォローする
- コミュニティやスクールを活用する
- 信頼できる友人やパートナーに相談する
といった形で、一人で抱え込まずに動いているのも特徴です。
⑤ メンタルケアをおろそかにしなかった
働き方を変えることは、ワクワクすると同時に不安も伴います。
だからこそ、
- 睡眠・食事・運動などの基本を整える
- 「全部完璧にやろう」としない
- うまくいかない時期も“プロセスの一部”だと捉える
といったメンタルケアを重視している人が多い印象です。
→ 再スタートを前向きに続けるための思考法
退職前にチェックしておきたいポイント（編集部チェックリスト）
- 3〜6ヶ月分の生活費の目安はあるか
- 副業またはスキルで小さな実績を作れているか
- 家賃や固定費を見直しているか
- 「辞めたあとの1日のスケジュール」をイメージできるか
- 相談できる人・情報源を持っているか
すべて完璧でなくても大丈夫ですが、いくつかチェックが入っているほど、辞めたあとも安定しやすい傾向があります。
会社を辞める前に必ずやるべき準備3つ
ここからは、これから本気で「会社を辞めること」を考えている人に向けて、最低限やっておきたい準備を3つに絞ってお伝えします。
① 資金クッションを作る（3〜6ヶ月分が目安）
理想は、最低でも3〜6ヶ月分の生活費を貯金しておくことです。
- 毎月の生活費を洗い出す
- 「いざという時用の口座」を分ける
- 固定費を削減して必要額を下げる
貯金が少ない状態で辞めると、精神的な不安も大きくなります。
→ 少しずつでも貯金を増やすための実践アイデア
② スキルと実績を積んで「逃げ道」を複数作る
会社を辞める前に、
- 副業で月1〜3万円を目指す
- ポートフォリオや実績を作る
- 資格やスキルを学び、履歴書に書ける形にする
といった準備をしておくと、「もしこの仕事が合わなかったら別の道もある」と思えるようになります。
③ ライフプラン・家計を見直す
結婚や子どもの教育、住宅ローンなど、ライフプランとお金の計画も一度整理しておきましょう。
- 家計簿アプリなどで支出を可視化する
- 家族と将来のイメージを共有する
- 「今すぐ必要なお金」と「将来必要なお金」を分けて考える
家計の整え方については、こちらも役立ちます。
→ 家計を整えて再スタートしやすくするための基本
会社を辞めるのは“逃げ”ではない｜あなたに合った働き方を選ぶために
ここまで見てきた通り、会社を辞めた人たちの多くは、
- 今の働き方では心身がもたない
- このままでは将来に希望が持てない
- もっと自分らしく働きたい
といった思いから、一歩を踏み出しています。
もちろん、会社を辞めることが正解とは限りません。
「今の会社にいながら働き方を変える」という選択もあれば、
「一度立ち止まって休む」という選択もあります。
大切なのは、
- 何に悩んでいるのか
- どんな暮らしを送りたいのか
- そのために必要な働き方は何か
を、自分の言葉で整理していくことです。
ほかの人の再スタートの実例も知りたい方は、こちらもおすすめです。
→ 再スタート体験談まとめ｜人生を立て直した人たちのストーリー一覧
よくある質問（FAQ）
Q1. 会社を辞めて成功した人に共通するポイントは何ですか？
A. 共通しているのは、辞める前から準備をしていたことです。具体的には、「副業やスキル学習で小さな実績を作っていた」「固定費を下げて生活コストを抑えていた」「情報収集や相談を通じて“やっていけるイメージ”を持っていた」といった点が挙げられます。
Q2. 逆に、会社を辞めて失敗しやすいパターンはありますか？
A. 典型的なのは、勢いだけで退職してしまうパターンです。「貯金がほとんどない」「収入の目処がない」「辞めたあとに何をするか決めていない」といった状態で退職すると、焦りから条件の悪い仕事に飛びついてしまったり、メンタルが不安定になったりしやすい傾向があります。
Q3. 貯金が少なくても、会社を辞めても大丈夫でしょうか？
A. 絶対にダメというわけではありませんが、貯金が少ないほど精神的な負担が大きくなるのは事実です。可能であれば、まずは「固定費の見直し＋副業でのプラス収入＋少しずつ貯金」という流れを作ってから検討するのがおすすめです。それが難しい場合でも、「短時間勤務に切り替える」「部署異動を相談する」など、退職以外の選択肢も含めて検討してみてください。
Q4. 会社を辞めるかどうか、どのように判断すればいいですか？
A. 「今すぐ辞めるかどうか」ではなく、「半年〜1年後にどうありたいか」から逆算して考えるのがおすすめです。
- 今の会社で改善できる余地はあるか
- 副業やスキルアップで「別の選択肢」を増やせるか
- 辞めたあと、どんな1日を送りたいのか
これらを紙に書き出してみると、感情だけでなく、現実的な視点も含めて判断しやすくなります。
